前回のブログの記事の続きで、1月29日(水)にメディケアレジデンスで開催したオペラコンサートの様子をご紹介させて頂きます。

オペラコンサートの後半は、男性バリトン歌手と女性ソプラノ歌手の登場で、一段と魅力的なプログラムが展開されました。

まず登場したのは、堂々とした歌声が魅力のバリトン歌手。最初に披露されたのは、ヘンデルの《愛しい木陰よ》。バリトンの深みのある響きが会場を包み込み、クラシックの格調高い世界へと誘いました。続いて《荒城の月》。作詞「土井晩翠」、作曲「滝廉太郎」の作品です。滝廉太郎の故郷大分県竹田市の岡城跡、土井晩翠が思い描いたという福島県会津若松市の鶴ヶ城跡や、晩翠が生涯を送った宮城県仙台市の青葉城跡にも詩碑があります。では、その重厚な歌声が日本の名曲に新たな風を吹き込み、感動のため息がもれる場面もありました。そして最後に披露された《木兎》では、ユーモラスな歌詞と表情豊かな歌唱で、客席に温かな笑いが広がりました。

次に登場したのは、華やかで透明感のあるソプラノ歌手。最初の《ペチカ》では、やさしく語りかけるような歌声が冬の情景を鮮やかに描き出し、続く《早春賦》では春の訪れを待ちわびる気持ちを繊細に表現しました。さらに、《空家の風鈴》では、しっとりとした美しい旋律が心に響き、《うぬぼれ鏡》では、可愛らしくも洒落た歌詞に乗せた軽やかな歌声が印象的でした。

そして、コンサートのクライマックスには、4人の歌手とご入居者の皆様で《おぼろ月夜》を合唱しました。春の夜を思わせるような穏やかなメロディーが響き渡る中、会場全体がひとつになり、あたたかい空気に包まれました。

終演後には、「とても素晴らしかった。」「歌声が心にしみたよ。」「懐かしい曲を皆で一緒に歌えて嬉しかった。」などのお声を頂きました。皆様にとって特別な時間になったのではないでしょうか。オペラの魅力を身近に感じていただき、心豊かなひとときを共有できたことに感謝しつつ、また次回の音楽のひとときを楽しんで頂けるよう今後もイベントの企画を行っていきます。